どうして日本語で教えてくれないの

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さて、今回はよく生徒のみなさんから聞かれる、この疑問について一緒に考えてみましょう。「どうしてソフィアの先生は日本語で教えてくれないのか。」

英語のみで授業を行うのは、ソフィアのとても大きな、とても大切な特徴のひとつです。授業中、初めてみる単語や初めてきくフレーズがでてくると、先生に質問をしますよね。でも先生は絶対、日本語でホイと答えをいってはくれません。いきなり役者になって、大げさな身振り手振りで表現したり、写真や絵や実物をみせたり、英語で説明したりします。そんなとき「日本語で言ってくれればすぐにわかるのに」って思ったことはありませんか。先生の説明もわかったようなわからないような、もどかしい気持ちになったりしませんか。

それが、いいんです。そのときもう英語はあなたの体にじわりじわりとしみこんでいっているのです。そこで、「日本語ではどういうの?」と考えないで下さい。その英語(単語や文章)と、そのもの、場面、感情、表情を頭にそのまま入れて下さい。

これが、効くんです。

こんなことを聞いたことがありませんか。「日本人は英語が話せない。」「学校英語は受験でしか役に立たない。」ああなんとくやしい。

なぜでしょう。理由はいくつかありますが、ひとつは日本語と英語をペアにして暗記するからです。これは一見らくちんですが、とても危険です。だって英語と日本語は全く別ものだからです。ものの数に対する感覚やものの分類のしかたなど、何でもかんでも日本語とちがいます。同じ世界を目の前にしても、目のつけ所もちがえば、言葉にするときの分解のしかたもちがいます。だから、もともとちがう日本語と英語の似ているところを無理にくっつけてしまうと、ずれが生じてしまうのです。

では、どうしたらいいのでしょう。それは、頭の中にもうひとつ、英語の世界をつくりあげるのです。たとえば、私は後藤奈津子。でも英語の世界では2人目の私、Natsuko Gotoに変身するのです。

みなさんもやってみて下さい。いやですか?あやしいですか?いいえ、やって下さい。

まず、英語に向かったら頭を英語モードに切り換えます。そして、前にあったように、英語を英語のまま理解して、その英語のでてきた状況やものや表情など全部まとめて心に印象づけていって下さい。日本語とは別の世界をつくるのです。考えるのも英語です。

ソフィアではみなさんの頭の中に英語の世界をつくるために、日本語を使わないのです。みなさんがソフィアで英語モードに切り換わって、消しゴムを落とした時に"Oh!"なんて言っちゃうのが私たちの願いです。

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校閲:校閲スタッフ